前立腺がんの検査方法や治療方法

前立腺がんについて

前立腺に出来る癌は前立腺がんと呼ばれます。世界的にみても多くの人が患っている病気です。

世界及び日本における発症頻度や死亡数

米国の統計では男性のがん患者のうち前立腺がんで亡くなる人の数は2番目に多く、羅患数は最も多いと発表されています。

元々欧米諸国では前立腺がんに悩む人が多く日本ではそこまで患者数は多く有りませんでした。しかし、最近はアジアでも患者数・死亡数共に増加しており、日本では2020年~2024年頃には年平均で105,800人の羅患数(男性がんで1位)、14,700人の死亡数(2000年の1.8倍)になると予測されています。

日本で前立腺がんが増加した要因には「平均寿命の高齢化」、「食生活の欧米化」、「PSA検査の普及」などが挙げられます。

前立腺がんの早期発見にはPSA検査

前立腺がんは初期症状が少なくなかなか発症に気付けない事が多いです。しかし、PSA検査を行えば早期発見・早期治療が可能になります。

PSA検査とは、前立腺がんを発見するための血液検査で、PSA値が高ければ高いほど前立腺がんの疑いが強くなります。PSAとは前立腺で特異的に生成されるタンパク質で、前立腺がんを患っている人だけでなく健康な人の血液を調べてもPSAは検出されます。ただ、前立腺がんを患っていると血液中のPSAが増加するため、PSA検査を行うことで早期発見が可能となります。

PSA検査を受けた人の8%程度は基準値を超えますが、基準値を超えると必ず「前立腺がん」になっているわけでは有りません。一般的にPSA値が4~10ng/mlの場合に約30%、10~20ng/mlの場合には約50%の確率で前立腺がんと判断されます。なお、PSAの基準値自体は年齢によって変わります。

前立腺がんの精密な検査方法

PSA値が基準値を超えた場合、前立腺がんやその他の問題が発生しているか否かを確認すため、泌尿器科専門医による精密検査が必要になります。精密検査では直腸診、超音波検査(エコー検査)、MRI検査などを行います。これらの精密検査を経て、まだ前立腺がんの疑いがある場合には、確定診断のため前立腺針生検を行います。

前立腺針生検では、肛門から専用の超音波器具を挿入し、前立腺を観察しながら、細い針を数ヵ所に刺して組織を採取します。針を刺入する方法は、陰のうと肛門の間の皮ふより刺入する経会陰的生検と、直腸より刺入する経直腸的生検の2通りがあります。麻酔は局所麻酔や腰椎麻酔で実施し、治療をうける医療機関によって、日帰り検査で行う場合と入院検査を行う場合とに分かれます。

前立腺がんの治療方法

生検を受けた結果、前立腺がんであると判断された場合にはCT、MRI、骨シンチグラフィーなどの画像診断で、がんが周りに広がっていないか、転移をしていないか?などを詳細に調べます。更に、事前に受けたPSA検査や生検の結果から判断したがんの悪性度も考慮に入れた上で、それぞれに患者にとって最適な治療法を選択することになります。

治療法としては、「手術療法」、「放射線療法」、「内分泌療法(ホルモン療法)」など複数の治療法が有り、これらの治療を単独あるいは組み合わせて行います。

早期発見が何より大事

前立腺がんは早期に発見できればできるほど完治の確率が高くなりますし、完治が出来なくても症状の進行を遅らせる事が可能です。早期発見のために定期的なPSA検査をお勧めします。

参考文献
1.日本泌尿器科学会:前立腺癌診療ガイドライン:2012
2.アストラゼネカ:前立腺がんをもっと詳しく、わかりやすく


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