尿路結石とその予防

尿路結石の基礎知識

尿路結石の多くは腎臓の中に出来る「腎臓結石」が尿路に降りてきたものです。上から順番に書くと

  • 腎臓結石
  • 尿管結石
  • 膀胱結石
  • 尿道結石

となります。それぞれ尿管で結石が詰まると「尿管結石」、膀胱に溜まっていると「膀胱結石」という風に結石がとどまっている場所で名称が変わりますが、疾患としては全て同じです。腎臓結石と尿管結石を「上部尿路結石」、膀胱結石と尿道結石を「下部尿路結石」といいますが、現在では上部尿路結石が結石の90%以上を占めています。

尿路結石の主成分はシュウ酸カルシウムとリン酸カルシウムの2種類のカルシウムです。これらのカルシウムで結石の8割以上を占めています。その他の成分としては尿酸、アミノ酸(シスチン)、リン酸マグネシウムアンモニウムなどがあります。

尿路結石の原因

尿路結石の原因割合は以下のようになっています。

  • 特発性結石(原因不明)・・・60%程度
  • 遺伝性の結石・・・1%~2%程度
  • 何らかの原因疾患による結石・・・20%~40%程度

原因疾患は人により異なりますが、尿の流れを停滞させるような病気(尿管狭窄、前立腺肥大症など)や尿路感染、長期に寝たきりの状態にある場合などがあります。また、ある種のホルモン(副甲状腺ホルモンなど)の影響で結石ができる場合もあります。

日本では、年間10万人当たり約53人の発症率ですが、一生涯で見ると100人のうち4人程度が一度は尿路結石になるといわれていますので、誰しもなる可能性がある疾患です。

結石が出来る流れ

尿は腎臓で作られ、腎臓の乳頭部というところから尿がしみだして腎盂に入ります。しみだしてきた尿にはいろいろな物質が溶け込んでいますが、その色々な物質が尿に溶けきれずに析出(複数の物質から成る溶液から固定が現れる事)して核ができ、次第に結石となります。

結石は出来てすぐの段階だと腎臓の乳頭部にひっついていますが、乳頭部から離れて腎杯や腎盂で詰まったり更に尿路に落ちてくると症状が現れます。

尿路結石の症状

尿路結石の症状は激しい痛みを伴います。疝痛(せんつう)発作と言われますが、痛みに耐えかねてエビのように体が曲がった状態で病院へ向かう人も数多くいらっしゃいます。その他の症状としては血尿、嘔吐、下腹部痛や大腿部の痛みなども有ります。

小さい結石の場合には腎臓から尿管へ降りていき、痛みを感じる部位も徐々に下腹部など下の方に降りてきます。膀胱付近まで結石が降りてくると、尿が出にくくなったり、尿を出してもどうもすっきりしない感じ(残尿感)を覚えるようになります。

一方、大きめの結石だと膀胱や尿道までは降りてこずに腎盂や尿管でストップしてしまう時が有ります。こうなると痛みは徐々に無くなっていくのですが、治ったのかな?と思ってそのままにしておくと尿の流れが止まり、最終的に腎臓の働きが停止してしまう恐れが有ります。

結石の検査

結石の疑いがある場合はまず単純レントゲン検査(KUB)で結石の有無を調べます。尿酸結石やシスチン結石は単純レントゲン検査では発見できない場合が有りますので、造影剤を使ったレントゲン検査(DIP、IVP)やCT検査も実施して詳細に結石の有無を判断します。

結石の治療方法

結石が有ると判断された場合は結石のサイズに関係なくまず痛みを緩和するために鎮痛剤を使用します。次に保存的治療が可能か否か(自然排尿が可能か否か)を判定します。

一般的に5mm位の大きさの結石なら自然排尿によって解決出来る可能性が有りますので拝石促進剤を利用して自然排尿を待ちます。

結石は8割方カルシウムで出来ているのは前述した通りです。カルシウムは薬で溶かすことが出来ません。そのため5mmよりも大きな結石がある場合や水腎症(尿が腎臓に停滞した状態)を伴っている場合には、体外式衝撃波砕石術(ESWL)や内視鏡下砕石術(TUL、PNLなど)が検討されます。

尿路結石の予防方法

①尿量を増やすための水分摂取

尿路結石の予防にはおしっこを沢山出すことが最も重要です。あまりトイレに行かない場合など1日の尿量が1000ml以下の場合は結石が出来やすく、逆に1日の尿量が2000ml以上の場合は出来にくいとされています。そのため1日に飲む水分量も2000ml以上を目標とすると良いと考えれます。

飲む水分の種類は特に指定されていませんが、お水やお茶が望ましく、清涼飲料水、甘味飲料水、コーヒー、紅茶、アルコールなどで過剰に水分を摂取するのは好ましく有りません。

②バランスの取れた食事も大事

次に、バランスのとれた食事を心がける必要があります。摂り過ぎ注意なものとしては「シュウ酸、尿酸、動物性たんぱく質、糖質、塩分、脂肪」が多く含まれている食べ物。逆に積極的に摂取していきたいものとしては「クエン酸、マグネシウム、食物繊維、カルシウム」などが有ります。

なお、日本人で結石が出来る人は夕食を食生活の中心に置いている人が多く、動物性タンパク質を好んで食べるおられる人が多いと考えられていますので食生活には十分気をつけて下さい。

また、カルシウムや尿酸、シュウ酸など結石の元となる成分の尿中濃度は食後2時間~4時間で高まるので、そのタイミングで寝てしまうのはあまり良くありません。出来れば夕食後4時間程度は空けてから就寝するようにしましょう。

参考文献
1.伊藤 晴夫:泌尿器科外来シリーズ1、尿路結石症外来:MEDICAL VIEW:1998
2.旭川医大:尿路結石症の予防のために
3.金沢医大:患者さんのための腎・尿管結石の手引き


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