在宅診療

私は、勤務医時代に、尿路の悪性腫瘍を中心とした疾患の治療を行なっておりました。患者さんには高齢の方が多く、しかも長期的な治療を必要とする方が多くおられました。

このため、良性、悪性疾患を問わず、さまざまな理由から通院困難となる患者さんを数多く経験してきました。また、ご本人が在宅での治療を希望されているにもかかわらず、尿路のカテーテル管理のできる医療スタッフの不足から、在宅での治療を断念せざるをえない患者さんも多く見てきました。

このような事情から、在宅での治療を希望される患者さんに対し、泌尿器科医として少しでも力になれればという想いの元、当院では開院当初より在宅診療を行っております。

これは私がクリニックを開院した理由の1つでも有ります。

在宅診療について

日本人の高齢化に伴い、通院困難となる患者さんが増え、国も遅まきながら在宅診療の重要性に気づき、近年力を入れているようですが、まだまだ十分な状況とは言えません。ただ、在宅診療のシステムはここ10年位の間に徐々に構築されてきています。

かつては「在宅診療」=「往診」でしたが、現在はシステム化されています。

まず「在宅診療」とは、「外来診療」、「入院診療」と並ぶ診療スタイルのひとつとして存在し、「在宅診療」は「訪問診療」「往診」とに区分されます。

訪問診療とは

「訪問診療」とは計画的な在宅診療を行うことです。1週間あるいは2週間に1度の割合で定期的かつ計画的に訪問し、診療、治療、薬の処方、療養上の相談、指導等を行います。

このため、医師以外に訪問看護師、ケアマネージャー、介護サービスのスタッフ等がチームを構成して診療を行います。訪問診療を受けられる患者さんのこれまでの病歴、現在の病気、病状などを関係医療機関より情報収集を図り、その上で診療計画、訪問スケジュールをたてていきます。

そして、急変時には緊急訪問に伺ったり、入院の手配を行なったりするなど、臨機応変に対応することから、「第一のかかりつけ医」として、多くの場合24時間体制で在宅療養をサポートするのが特色です。

往診とは

一方、「往診」とは、医師がその都度、患者さんの求めに応じて出向く診療であり、「訪問診療」が定期的に行われているに対して「往診」は不定期となります。

当院における「在宅診療」の具体例

当院の「訪問診療」の具体例と流れ

当院における「訪問診療」の具体的な例を挙げますと、例えば、提携している病院の地域医療連携室から、がん診療を受けておられる患者さんが「在宅診療を希望されている」と連絡が入ります。

この場合、現在治療に携わっている主治医から、現病歴、病状、今後の治療方針などを詳しく情報収集した上で、訪問看護ステーション、ケアマネージャー、介護サービス施設等から成るチームを構成します。

次に患者さんのご家族の方と面談させていただきます。そして診療計画を相談、作成し、

  • 私が○曜日の○時に訪問を行う
  • 訪問看護師が週○回訪問
  • 介護スタッフが週○回訪問

などの訪問計画も建てた上で訪問診療がスタートします。

特にがん患者さんは、最初にじっくりと診療計画を練っておかないと在宅診療は長続きしません。もちろん24時間対応を行い、患者さんには緊急時の連絡先は伝えています。

当院の「往診」の具体例

当院での往診の具体例としては、在宅診療を受けておられる患者さんで尿道カテーテルのトラブル時に在宅診療の主治医から依頼を受けて訪問するケースや訪問診療の緊急コールに対応するケースなどが有ります。

「在宅診療」の費用やその他の情報

私が在宅診療を開始した当時と比べ、「訪問」を行う歯科や薬局もかなり増えており、徐々にではありますが、在宅診療はオープンになってきています。

費用は保険診療ですが、外来診療に比べて割高なのは否めません。訪問回数でも異なってきますので、在宅診療をお考えの方は、一度ご相談頂ければと思います。

尚、当院は在宅療養支援施設に指定されております。